雇用調整助成金(新型コロナ対策その1)
現在、国会で審議中の「雇用調整助成金の拡充」について、厚生労働省の担当者(職業安定局 雇用保険課)から話を聞きました。
この助成金は、企業が労働者に支払う「休業手当」を助成するものです。
本年4月1日~9月30日までの特例措置として、
- 対象企業:売上や生産量が1ヵ月5%以上低下した企業(通常は3か月で10%以下)
- 対象労働者:雇用保険に入っていない労働者(パート・アルバイト)も可(通常は6ヵ月以上の被保険者)
- 補助率:4/5(通常は2/3) ※解雇を行わない企業は10/10
- 助成上限額:15,000円(通常は8,330円)
となります。
今回の拡充(第2次補正予算)によって、
- 上限額が15,000円に引き上げられる
- 解雇を行わない企業には全額(10/10)支給される
ため、企業の持ち出しがほとんどなくなるので、これまで休業手当の支給を躊躇していた企業に支払いを促すことになります。
また、当初は、申請手続きが煩雑で審査時間も長いため、「使えない制度」と不評でしたが、
- 申請書類の記載事項を半減(73→38項目)
- 添付書類の簡素化(出勤簿や給与台帳がなくても手書きのシフト表や給与明細で可)
- 休業等計画届の撤廃
- 小規模事業者(20名以下)の助成額算出を簡素化
等の改善が図られ、審査期間も1ヵ月→2週間に短縮されたことにより、現在、10万件の申請のうち5万件が支給されています。
ただ、こうした改善点が、申請窓口(労働局やハローワーク等)や申請を代行する社会保険労務士に周知徹底されていない面があるようで、担当者からは、
「本省では弾力的に運用する通達を出しているが、現場に周知徹底されていないのは申し訳ない。そういう事例があれば教えてほしい」
と言われました。
もし皆さんの周りでそういう事例があれば、厚生労働省に伝え改善を求めますので、私(takai@takaitakashi.com)までご連絡ください。
引用・参考・出典
【参考記事】
雇用調整助成金(新型コロナ特例) |厚生労働省