TPP協定の知的財産分野について、内閣官房・外務省・文化庁の担当者から説明を受けました

TPP協定の知的財産分野について、内閣官房・外務省・文化庁の担当者から説明を受けました。

著作権分野において、

① 保護期間が50年から70年に延長される
② 侵害罪の非親告罪化(告訴が無くても検察が公訴できる)
③ 侵害罪について法定賠償制度を設ける(損害賠償額を立証しなくてもよい)

等が問題となっています。

特に②と③により、訴訟が乱立し、コミケ(コミックマーケット)など二次創作が萎縮する心配が指摘されています。

これまで政府高官からの説明では、「国内法で担保するから大丈夫」との説明だったのですが、担当者から詳しく聞いてみると、問題は何ら解決されておらず、担当者も頭を悩ませています。

②については、「収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない」という和訳は、原文(英文)とは異なるあきらかな「意約」であり、コミケの二次創作物等に対して著作権侵害罪を適用されるおそれが十分あります。

③については、我が国の民法は「被った損害の賠償」が原則であり、法定賠償制度を我が国の民法に規定するのは難しいと、内閣法制局や法務省は主張しており、法案提出を間近に控えて、案文すらできていないのが現状です。

内閣官房のTPP担当者も、「著作権はもっともハードルが高い」と認めています。

政府高官が説明するように簡単にはいかないと思います。この問題は引き続き注視し、我が国で著作権の訴訟が乱立し、創作活動が萎縮することが無いようしっかり監視してまいります。