【韓国IT視察(その7)「情報化村」ポリッコゲ】 金大中政権時に、「地方創生」の目玉として取組まれた「情報化村」事業
【韓国IT視察(その7)「情報化村」ポリッコゲ】
金大中政権時に、「地方創生」の目玉として取組まれた「情報化村」事業。
過疎に悩む農山村に高速インターネットを整備し、各家庭にパソコンを配り、ホームページに村の特産品販売や子どもたちの体験学習等のメニューを用意し、地域活性化を目指す事業で、全国各地で400以上の地域が国の支援により「情報化村」事業を行っている。
本日訪れたのは、ソウルから北東へ150km(車で1時間半)、北朝鮮との国境近くのポリッコゲ村。村長と情報化村事業の事務局長(給与の半分を国が支給し、半分を自治体が支給している)からお話を伺いました。
この村は、90世帯270名の小さな村(日本の村とは異なり「地区」「町内会」の扱い)ですが、昨年の同村への訪問者数は1万6千名。毎年、稲刈りや、餅つき、豆腐作り、魚釣りなどを体験したい親子が訪れるそうです。この体験ツアーのお世話をするのが、高齢化した村人ですが、子どもたちの訪問で皆さん活き活きされるそうです。更にこの体験ツアーで収益が上がるほか、ツアー後も地元産品のインターネット販売を行っています。
国が雇用したまちづくりコンサルタントが、体験ツアーの企画やホームページ制作を行い、国のポータルサイトにアップします。このサイトでは、各村のPRが掲示されるほか、体験ツアー希望者が、「稲刈りがしたい」「日帰りで行きたい」「バスで行きたい」などの要望を入力することで、最適な「村」を紹介してくれます。
更に「1社1村」を合言葉に、大手企業はできるだけ特定の村と提携し、社員やその家族を体験学習に派遣する他、地元産品の購入で協力するなどの関係も築いています。
この村の1年間の売上は5000万円ほどですが、村人で平等に分配するそうです。今では村の住民の約半分が情報化村事業を始めてからのUターン、Iターンで占められており、情報化村は地域の活性化に大いに貢献しているようです。
我が国でも1000億円を超える「地方創生」予算があるのだから、ぜひやるべきだと思う。次の国会で、石破地方創生担当大臣に提案してみたい。