香港の民主主義を守るには
今年の元旦から3日間、香港へ行ってきました。
香港で民主化運動を続ける若者たちから、「香港の現実を日本のメディアは正しく伝えていない。香港の現実を見て、正確に伝えて欲しい」と言われたからです。
民主化運動の中心を担う立法会議員(国会議員)、区議会議員や多くのデモ参加者の他、メディアの方や街の人たちからも、お話を伺いました。
確かに、当時の日本のメディアは、「デモ行為はテロ行為である」との香港政府の主張をそのまま流し続ける香港地上波テレビ局の映像を、そのまま放送しているケースが多かったように思います。
実際のデモはほとんどが平和的に行われておりました。デモのイメージを悪くするために、意図的に暴力をふるい、扇動しているのは香港警察であり、香港警察の非人道的行為は、香港国内では、ケーブルテレビやSNSで連日伝えられていました。
香港警察は、デモ参加者の救護に当たる医療スタッフまで逮捕しており、逮捕された方からも直接話を伺い、香港警察の傍若無人の振る舞いをお聞きしました。デモに参加し、行方不明になった人も数えきれないとのことでした。
いつ逮捕されるかわからない、何をされるかわからない、そんな不安を抱えながら、それでも彼ら彼女らは、民主主義を守るために闘い続けていました。
しかし、今回成立した「香港国家安全維持法」により、その不安は拭い切れぬものになりました。加えて、中国政府は、香港政府や香港警察の対応は生ぬるいとして、香港の民主化運動を直接取り締まる出先機関を新設し、そのトップに、かつて広東省で住民運動を弾圧した実績を持つ者が任命されました。
こうした露骨な中国の人権侵害に対して、世界各国が連帯して非難の声を上げる必要があります。これは内政干渉ではありません。人権侵害は国際問題です。
香港の民主化運動の主導者たちは、日本にとても期待してくれていました。
先日、「国家安全維持法」は断じて容認できないとする共同声明に106名の国会議員の署名が集まり、もちろん私も署名しましたが、これだけでは足りません。国会でも議論を深め、日本国として、きちんとした声を上げなければなりません。