コロナ禍対策にも縦割りの弊害が~11月13日衆議院法務委員会(その3)
本年6月から、コロナ禍で苦しむ方々への支援制度をブログ等でわかりやすく解説し、要望をお聞きし、政府に提案する仕事に取り組んできました。
政府(特に厚生労働省)は、平時に比べてはるかに柔軟に対応してくれ、多くの支援制度の使い勝手がよくなりました。
しかし、「小学校休業等対応助成金」は、一向に改善されません。
この制度は、小学校や保育園が休校となった際、子どもの世話をするため会社を休まなければならなかった方々を対象に、その間の給与を助成する制度ですが、ネックは、会社が「特別休暇」を設けなければならない点です。
中小零細企業の中には、「特別休暇」という制度がない会社が多く、この助成金のためにわざわざ就業規則を改定して制度を作るのは難しいのが現状です。
厚生労働省は、「就業規則の改定は不要」と説明していますが、労働基準法では「休暇は就業規則で定める」とされており、会社側にそうした説明が十分周知されていないため、来月末で申請が締切られるのに、未だ予算の2割程度しか活用されていません。
同じ厚生労働省の「休業支援金」については、会社の協力が得られなくても個人に対して支給されるよう制度が改正されるにも関わらず、「小学校休業等対応助成金」は一向に改善されないのは、担当する「局」が違う(「休業支援金」は職業安定局、「小学校休業等対応助成金」は雇用環境・均等局が担当)からです。
この問題は法務委員会の所掌ではありませんが、申請締切まで時間がないため、三原じゅん子厚生労働副大臣に来てもらい、質問しました。
この問題で苦しんでいる方から頂いたメールを紹介しました。
「子どもを持つ母はとにかく忙しいんです。急いで帰宅してご飯を作らなければいけない。通常業務の傍らで、会社の総務と交渉したり、制度の説明をしたり、労働局に電話したり、普通のパートではここまではしません。大多数が諦めているんです。うちは無理だと言われて終わっているんです。厚労省は制度の枠組みと制度の趣旨どちらが大切なんですか?この制度の趣旨は働く保護者と子どもを助けるためのものでしょう。」
その上で、
「制度の趣旨を考えれば、大企業と中小企業とで差が生じるのはおかしい。同じ厚生労働省で局が違うことで差が出るのもおかしい。この問題を解決できるのは、政治家である副大臣しかいない。大臣に相談せずとも副大臣でできる話だ。副大臣のリーダーシップで改善した欲しい」
と訴えました。
三原じゅん子副大臣からは、
「今のご意見、これは大変重いものだと思っておりますので、しっかりと受けとめて、より一層の働きかけに努めてまいりたい」
との答弁がありました。
言葉もさることながら、この時の副大臣の目力が凄く、思わず
「大変力強い目力で、ぐっと言って頂きましたので、信頼したい思います」
と申し上げました。
私も官僚出身なので、官僚の理屈による制度上、難しいのはよくわかります。しかし、制度上では国民の生活が守れない時こそが、政治家の出番です。政治家が大臣や副大臣をやる意義はそこにあります。
私も政治家の端くれとして、制度上の問題を克服し、必要とする全ての人にあまねく公平に助成金が支給されるよう、引き続き全力を尽くします。
※質疑の模様はユーチューブにアップしてますので、ご覧ください。
※動画を視聴する際は音が出ますので音量にご注意ください