国民民主党「シン・憲法改正草案」骨子(素案)まとまる
国民民主党の「シン・憲法改正草案」骨子(素案・たたき台)が示されました。
国民民主党憲法調査会は、山尾しおり会長の英断により、党派を超えた国会議員や一般市民が自由に参加でき、その模様はネットでライブ配信されるなど、「開かれた政党」にふさわしい画期的な取組みを行っています。
私も本気で関わろうと、8回にわたる憲法調査会全てに最後まで参加しましたが、一般市民の皆さんのレベルの高さに驚かされました。今回の骨子にはその意見も数多く盛り込まれており、素晴らしい骨子がまとめられたと思います。
骨子では、まず「現行憲法を高く評価し、今後も、その理念や体系を維持すべき」としています。
その上で、「人権保障分野」では、憲法制定時には想定していなかった時代の変化に対応しきれない面があること(「デジタル時代の人権保障」など)、「統治機構分野」では、日本国憲法は諸外国の憲法に比べて規律密度が低く(条文・文字数が少ない)、解釈や不文律(「人の支配」)に頼るところが大きいため、近年「法の支配」が揺るぎ始めていること(「臨時国会をいつまでも召集しない」など)等の問題点を指摘しています。
こうした点を踏まえた「目指すべき方向性」として、
- デジタル時代の人権「データ基本権」の保障
- 同性婚の保障
- 地方の自主性を保障(自治立法権、課税自主権等)
- 臨時国会の召集期限の明確化
- 内閣による衆議院解散権の制約
- 憲法裁判所の設置
- 平和主義の明確化(自衛権・自衛隊に対する統制)
等を具体的に提示しています。
おそらく、1から6は多くの国民が賛同できると思われますが(2、6などは多少意見が分かれるかもしれませんが…)、「7. 平和主義の明確化(自衛権・自衛隊に対する統制)」については国民の意見が大きく二分されています。
日本だけでなく世界平和のためにも大変重要な問題であり、大いに議論すべきですが、一方で拙速に結論を出してはいけないとも考えます。
私は、「平和主義の明確化」すなわち「憲法9条」の扱いは、まだまだ議論が足りておらず、国民の皆さんに「信を問う」段階ではないと考えます。しかし、それを理由に、他の必要な改正を躊躇すべきではありません。
憲法改正の発議は、国会議員のみに認められている権利であり、義務でもあります。その議論を行うことは「国会議員の責務」であり、これからも、まずは国民民主党内の議論に積極的に関わってまいります。