ここにも「縦割り」の弊害が・・・小学校休業等対応助成金が使えない!
コロナ禍で小学校・保育園等が休校となり、仕事を休まざるを得なくなった保護者のために創設された「小学校休業等対応助成金」。
127万人の利用を想定し、1720億円の予算を組んだのだが、現在約13万人、317億円(18%)しか使われていない。
原因は制度の使いにくさにある。この制度を利用するためには、年次有休とは別の「特別有休」を取る必要があるが、中小企業の中には「特別有休」という制度がないところが多い。
厚生労働省 の担当者から話を聞くと、
「特別有休を制度化する必要はなく、就業規則の改正なども必要ない。その旨は労働局を通じて企業に周知している」
と言い訳するのだが、法律で「休暇は必ず就業規則で定めなければならない」となっており、会社としては、簡単に「特別有休」を出すことは難しい。
コロナ禍で休業せざるを得ない方に支給される「休業支援金」についても同様の問題があり、支給が進んでいなかったのだが、この度、厚生労働省は「会社の同意を不要とする」制度(基準)に変更することを決めた。
「休業支援金と同じようにできないのか?」と再三迫るも、
「休業支援金とは所管する局が違う。この制度では難しい。国会で決めてもらうしかない」の一点張り。
「省」どころか「局」によって対応が違う。まさに「縦割り」だ。
これはもう国会で決めるしかない。
助成金の申請期限は9月末から12月末まで延長されたが、それでももう時間がない。今春、小学校・保育園等の休校により、「欠勤」扱いで休まざるを得なかった方は多いはずだ。欠勤だと無給なので、逆に年金や社会保険料等を会社に払った人も多いと聞く。
この助成金は遡って支給されるため、今からでも申請できる。
「特別有休」という制度がある大企業ではもらえて、制度のない中小企業はもらえない、そんな不公平は許されない。制度の趣旨を考えれば、小学校・保育園等に通う子どものいる保護者には等しく支給されるべきである。
そのためには、会社を通さず、休みを取った社員自らが、労働局(ハローワーク)に助成金を申請できる制度に変更すべきだ。
この臨時国会で総力を挙げて取り組みたい。