「川内原発は一旦停止すべきではないか?」、原子力防災担当の丸川大臣と原子力規制委員会の田中委員長に対して、見解を問いました

「川内原発は一旦停止すべきではないか?」

経済産業委員会に引き続き環境委員会においても、原子力防災担当の丸川大臣と原子力規制委員会の田中委員長に対して、見解を問いました。

政府の地震調査委員会の平田委員長は、今回の熊本地震の予測について、「最新の科学成果を入れて評価を見直してきたが限界がある」とコメントしています。また政府は質問主意書に対して「(火山の)噴火の具体的な発生時期や規模を予測することは困難である」と回答しています。

このように政府自らが「科学的予測には限界がある」と認めているにも関わらず、田中原子力規制委員長は「科学的知見に基づき大丈夫」と言い張っています。しかし、原子力規制委員会が川内原発について議論を行ったのはたった40分間(政府からの説明が20分で、議論は20分)だけであり、田中委員長の言う「科学的知見」についても専門家によって意見は大きく分かれています(特に火山の専門家の意見は全く異なっています)。

そもそも現行法律上、原発の「再稼動」については詳細な規定がありますが、原発の「停止」については十分な規定がありません。原発事故が起こった際の「避難計画」についても、その審査の条件にはなっていません。

米国では、連邦緊急事態管理庁(FEMA)が避難計画を策定し、原子力規制委員会はFEMAの意見を聞いた上で、原発を停止するか否かを判断する制度となっており、原子力規制委員会の大島前委員は「米国の制度を取り入れるべき」と提言されています。

いずれにしても、原子力規制委員会に原発を停止すべきか否かの判断を全て負わせるのはあまりにも酷であり、無責任です。国立国会図書館のレポートには「(原発の停止について)科学的な調査や検討を徹底的に行うことを大前提として、最終的な判断においては、人々の暮しや次世代への責任を勘案した価値判断、すなわち科学を土台とした社会的な判断を完全に排除することは難しい」と記されていますが、全くそのとおりだと思います。

この点を踏まえ、政治家である大臣が「政治的な判断で停止を決断すべき」と迫りましたが、丸川大臣からは全くすれ違いの答弁しか返って来ませんでした。

この問題は、「原発の停止」に関する「法制度の不備」であると考えますので、引き続き国会(委員会)で取り上げたいと思います。