ワシントン出張報告(その1)

ワシントン出張報告(その1)

今回の訪米の目的は、日米原子力協定に基づき行われている「核燃料サイクル」の見直しを実現するためです。

核燃料サイクルは、「原発から出た使用済核燃料を再処理し、それを原料として原発を動かず事業」ですが、もんじゅの破綻や六ケ所再処理工場の度重なる操業延期など、事実上破綻しています。

核燃料サイクルによって我が国は47トンのプルトニウムを保有していますが、これは原子爆弾を6000発製造できる量です。

この状況に対して、米国はじめ世界各国から懸念の声が上がっていますが、なかなかその声が日本政府(特に経済産業省)に伝わっていないので、直接情報を収集し、政府に伝えるために訪米しました。

今回お会いした米国の国会議員、国務省幹部、専門家からは、以下のような話をお聞きしました。

〇核燃料サイクルは高コストで採算が合わないし、テロリストによるプルトニウム盗難の危険もある。世界各国が中止したのに、なぜ日本は続けるのか?

〇日米原子力協定により、非核保有国では日本にだけ核燃料サイクルを認めていることに対して、世界各国(中国・韓国・北朝鮮・インド・パキスタン・イラン・イスラエル等)から米国に対して苦情が寄せられている。

〇米国は日本の核武装を疑っているわけではないが、核不拡散の立場から、日本のプルトニウムがこれ以上増えることは容認できない。

私からは、以下のとおり申し上げました。

●ご指摘のとおり、核燃料サイクルは、実現性が乏しく、コストも高いため、多くの日本国民はやめるべきと考えている。

●しかし日本政府(特に経済産業省)はやめようとしない。やめられないのは、巨額の予算をつぎ込んできたため、誰も責任が取れないから。

●河野外務大臣は以前から「核燃料サイクルはやめるべき」と言っている。日米原子力協定が満期を迎える今年7月が政策変更のチャンス。ぜひ米国からも声を上げて欲しい。

ちょうど2月15日(木)上院の外交委員会で公聴会が開かれるため、何名かの外交委員会所属の上院議員が公聴会で発言してくださると約束してくれました。

2日間の訪問を終え、記者会見を開いたところ、テレビカメラ4台を含む多くのマスコミが来てくれ、関心の高さを感じました。

今回の訪米をアシストしてくださった「新外交イニシアティブ」事務局長の猿田佐世弁護士には大変お世話になりました。朝から晩まで休む間もなく1日10件近い要人とのアポイントを入れられたのは彼女の人脈のおかげです。

この訪米の成果は必ず国会で活かします。原発ゼロ社会実現の第一歩である「核燃料サイクルの見直し」を実現するために全力を尽くします。