憲法53条訴訟 那覇地裁に続け
2018年2月26日、私は全国で初めて、安倍政権の憲法53条違反を岡山地裁に提訴しました。
その後、沖縄県選出の国会議員からも同様の提訴が行われ、一昨日、那覇地裁で一足早く判決が出ました。
この裁判は、2017年6月、我々野党が憲法53条に基づき要求した臨時国会の召集を安倍内閣が98日間放置したことは憲法違反だとするものです。
憲法53条には「衆院か参院いずれかの4分の1以上の議員が要求すれば、内閣は臨時国会の召集を決定しなければならない」と明確に規定されているにも関わらず、安倍政権は「憲法には何日以内に開けとは書いていない」と強弁して、98日間国会を開かず、開いたと思ったらすぐに衆議院を解散。結局、総選挙後、134日間経ってようやく国会が開かれました。
今回の判決は画期的で、国(法務省)が主張してきた「統治行為論(高度な政治性があるものには司法審査権は及ばない)」は退け、「違憲と評価される余地がある」としています。しかし、「他方、国家賠償法の損害賠償義務を負う余地はない」として損害賠償請求を棄却しています。
我が国の最高裁は、「具体的事件がなければ違憲の判断をしない」という付随的違憲審査説を採用しているため、憲法違反そのものを争うことが難しく、私のように「精神的被害を被った」というような理屈をひねり出さなければならず、それが敗訴の原因になっています。
かつて私は、岡山地裁の口頭弁論で、以下の陳述をしています。
「私が受けた被害うんぬんではなく、純粋に内閣が行った行為が憲法53条に違反しているか審査して欲しい。こんなことが許されれば、国会の権能は内閣によって封じられ、3権分立は成り立たず、民主主義は崩壊し、独裁国家すら生まれかねない。」
今後もこのような判決が出続けるならば、裁判所の違憲立法審査権が機能しているとは言えず、違憲審査そのものを行う憲法裁判所を設置することを(憲法改正が必要となりますが)、議論しなければなりません。
那覇地裁の判決を受けて、岡山弁護団の皆さまのお力のもとに、来るべき岡山地裁の判決では必ず違憲判断を勝ち取りたいと思います。
引用・参考・出典
【参考記事】
国会召集「内閣に法的義務」 憲法53条めぐり初判決 :朝日新聞デジタル
【出典記事】
たたかい日記:憲法53条訴訟 那覇地裁に続け