デルタ株に打ち克ち経済を回すためのコロナ三策
私がこれまで厚生労働委員会や内閣委員会で提案してきたコロナ対策をまとめました。玉木雄一郎代表と相談して政府に届けたいと思います。
第一策 検査の拡充(見つける)
米国CDCやイスラエス保健省によれば「デルタ株はワクチン接種により重症化は防げるが感染拡大は防げない」。ワクチン接種が先行する諸外国でもブレークスルー感染は増え続けている。今後わが国でも一定の感染者数があっても経済を回していかなければならない。そのためには「PCR検査や抗原検査をいつでもどこでもだれでも簡単に無料(叉は安価)で受けられる体制」を構築し、陰性が証明された者には行動制限を外し自由な経済活動を認めていく必要がある。
第二策 感染拡大の防止(抑える)
①医療ひっ迫の解消
医療機関のコロナ患者受入れに関して都道府県知事からの「勧告(応じない場合は公表)」を「指示(従わない場合は罰則)」に引き上げるため感染症法16条の2を改正する。コロナ患者を受入れる医療機関に対しては診療報酬で減収分を補填する仕組みを導入する。
②自宅療養の支援体制整備
これまで保健所が担ってきた業務(入院判断、健康観察、濃厚接触者の聞き取り等)を地域の医療機関やかかりつけ医等にも担って頂くとともに、保健所と地域の医療機関やかかりつけ医等がそれぞれが保有しているデータを共有する体制を整備する。
③治療薬の開発支援と早期承認
新型コロナウィルス感染症に対する治療薬の開発や実用化に向けた取組みを支援するとともに、可能な限り早期に承認を行う。
④ワクチン接種の重点化
移動を伴ったり人との接触機会の多い職種や感染が拡がっている地域について重点的・優先的にワクチン接種を行う。
⑤ロックダウンを法制上可能に
憲法22条が保障する「移動の自由」は「公共の福祉のために必要な場合には合理的な限度において制約を受ける」ものであり、災害対策基本法や原子力災害特措法等では立入禁止等が規定されている。緊急事態宣言下における外出自粛をより徹底するため、新型コロナ特措法45条1項を「要請」から「指示(罰則付き)」に改正する。
⑥水際対策の強化
「感染したおそれのある者」に限定されている停留の要件を「海外からの入国者全員」に拡大するとともに、現在要請にとどまっているため自宅待機要請者の6割程度しか応じていない「メール確認」「位置情報確認」に応じることを義務化(罰則付き)するため検疫法16条を改正する。
第三策 経済・社会活動との両立(動かす)
①国民一律10万円・低所得者30万円の給付(20兆円)
2020年度予算の繰越金30兆円の使い道を見直し、長期化するコロナ禍で疲弊する国民生活を支援するため現金給付を行う。
②コロナ禍終息までの時限的消費税ゼロ(20兆円)
逆進性の強い消費税はコロナ禍に苦しむ低所得者ほど重い負担となっている。コロナ禍による景気低迷に苦しむ事業者を救うためにも消費を喚起し需要を増大させ景気回復に資する消費税ゼロを実行する。
③「事業規模に応じた給付金」による減収補償(10兆円)
金額が少なく支給が遅く不公平との批判が強い「時短協力金」「月次支援金」に代わって、地域や業種を問わず、事業規模に応じて固定費の最大90%(上限2億円)を金融機関を介在させ迅速に支給する「事業規模に応じた給付金」を支給し、コロナ禍による売上減少分を補償する。
④総合支援資金等の生活困窮者支援策の拡充
コロナ禍で仕事を失い生活が困窮する人々のラストリゾートとなっている総合支援資金の再貸付延長や生活困窮者自立支援金の要件緩和を図るとともに、税金・社会保険料・公共料金・携帯電話料金等の支払猶予延長・免除を行う。
⑤「デジタル健康証明書(仮称)」の活用
デルタ株により当面感染拡大は収まらないが、その間これまでと同様の休業・時短要請を行えば経済は崩壊する。感染防止と経済活動との両立を図るため、検査陰性やワクチン接種を証明する「デジタル健康証明書(仮称)」を活用し、同証明書の持参者には行動制限を外し自由な経済活動を認める。