国民民主党のインフル特措法改正案は「北風と太陽」
玉木雄一郎国民民主党代表からの指示で、急きょ「新型インフルエンザ対策特別措置法」等の改正案づくりを担当することになりました。
現行法では、緊急事態宣言下において、都道府県知事が「施設使用の制限」を「要請」「指示」することはできますが、「命令」「罰則」がないため、強制力がありません。
本年3月に政府の自粛要請にも関わらず、埼玉アリーナで格闘技イベントが開催され、混乱が生じましたが、問題は「要請」に強制力がないことと、中止した場合に何の「補償」も何もないことでした。
今回、立憲民主党と共同で提出する改正案には、「休業の要請」や「施設使用制限の要請・指示」に応じた者に給付金を支給し、国がその費用を負担する規定が盛り込まれています。
ところが、立憲民主党は、議論の結果、「命令」「罰則」は「私権制限が強すぎる」という理由で削除することになりました。
これに対し、玉木代表は「100%損失補償する代わりに、命令・罰則を設けて実効性を持たせるべき」という「北風と太陽」の発想が必要との考えであり、玉木代表の指示により、急きょ「国民民主党独自案」をつくることになりました。
1本の法律に2つの改正案を同時に出すのは、法制的にかなり難しい作業だったのですが、衆議院・参議院法制局の絶大なご尽力により、何とか今国会に間に合うタイミングで法案をつくることができ、国民民主党「新型コロナウイルス対策本部」会議で了承されました。
コロナ禍が急拡大する昨今、「要請」のような「任意の協力」に頼るのではなく、100%損失を補償する代わりに強制力を持たせる法律が必要です。
普段野党に批判的な橋下徹氏ですら、「ここは野党に頑張ってもらって、コロナ対応の法的枠組みをしっかり作ってもらいたい。今は法治国家の体をなしていない。政府与党の尻を叩きまくってほしい」」とコメントしており、今国会を延長して、こういった必要な法案を成立させるべきです。