菅官房長官に意見して左遷された元総務官僚の話

実名告白でようやく世間の知るところとなったが、この話は霞が関では知らない人はいない有名な話だ。

総務省だけでなく、各省庁に同じような話が一つや二つ必ずある。それは、菅官房長官が官僚を掌握するために、敢えて露骨な「見せしめ人事」を行ってきたからだ。

ドラマ「半沢直樹」を見ている方は、「銀行員にとって人事が全て」というセリフを何度も聞いたと思うが、実は「官僚にとっても人事が全て」なのだ。

その人事権を巧みに使い、「逆らえば左遷だよ」という見せしめ人事を行い、「人事が全て」の官僚たちをコントロールしてきたのが菅官房長官の手法であり、安倍政権が7年8ヵ月間続いた秘訣でもある。

私はこの問題点を国会で追及した数少ない野党議員の一人だと自負している。

菅官房長官にはこの問題を何度追及したかわからないが、その度に不敵な笑みを浮かべながら、「適材適所で人事は行っています」としか答えなかった。

ただその不敵な笑みは、「あんたはよくわかってるな」という笑みだったと思っている。

官僚や大企業のサラリーマンにとっては「人事が全て」なのだ。だからこそ、成功している社長は、ほぼ例外なく、巧みに人事権を行使して、会社の業績を伸ばしている。

しかし、だからこそ、人事権は「濫用」してはならない。強大な権力である「人事権」は抑制的に行使しなければ、いつか組織は崩壊する。菅官房長官の人事は明らかに人事権の「濫用」だ。

私は「内閣人事局」制度は間違っていたとは思わない。それを適切に運用すれば、官僚たちはよりやりがいをもって働けるはずだった。

菅官房長官から菅総理大臣となれば、そのやり方はますます強くなるだろう。霞が関が崩壊してからでは遅い。

今こそ野党は一致結束してこの問題を追及していかなければならない。

引用・参考・出典

【参考記事】
菅官房長官に意見して“左遷”された元総務官僚が実名告発「役人を押さえつけることがリーダーシップと思っている」〈週刊朝日〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

【出典記事】
菅官房長官に意見して左遷された元総務官僚の話 - 高井崇志(タカイタカシ) | 選挙ドットコム