【韓国IT視察(その4)教育省】 九州大学へ留学経験があり日本語も堪能な教育省ヤン課長と、高麗大学のハン教授から、韓国の教育情報化の取組みについてお話を伺いました
【韓国IT視察(その4)教育省】
九州大学へ留学経験があり日本語も堪能な教育省ヤン課長と、高麗大学のハン教授から、韓国の教育情報化の取組みについてお話を伺いました。
韓国の教育情報化は、1996年にスタートし、
① ひたすらパソコンを配っていた時期(1996~2000年)
② 配るだけではダメで、どうやって使うかを模索した時期(2001~2003年)
③ 学外でパソコンをどのように活用するかを模索した時期(2003~2005年)
④ ICTにより、既存の教育を超える「新たな教育」を模索した時期(2006~2010年)
の4つの時期に分かれるそうです。
①の時期に、全教室にインターネットと電子黒板を配備し、教師は1人1台、生徒も2~3人に1台パソコンを配備。
②の時期に、「授業の2割はパソコンを使いなさい」というガイドラインを出し、そのための教師の研修を年33時間以上義務付けた他、校長のレベルを上げることが必要だと気づき、毎年10~15校をモデル校に指定。
③の時期に、地域や貧富の差により教育格差が生じないようにするため、インターネット塾(エデュネット)を開講し、生徒からの質問には24時間以内に回答する体制をつくり、教育大臣が「学校の授業とインターネット塾以外からは入試問題は出さない」と宣言。
④の時期に、デジタル教科書を制作し、配備をはじめるも、その活用方策については、まだ試行錯誤中。
「反転学習」や「プログラミング教育」は、最近になって本格的に導入を始めたとのこと。デジタル教科書も現在課題を検討中(ノートをとらずに学習効果が上がるのか?インターネット中毒にならないか?)とのことで、ロケットスタートだった割には最近の取組みは進んでおらず、ここ2代の大統領(李明博、朴謹恵)がIT政策に力を入れてこなかった弊害が出ているように感じました。
ただ、今の日本は、まだ①か②の時期で、15年は遅れています。これから猛スピードで挽回しなければなりません。