【ヨーロッパ視察報告(その1)】 ドイツ再生可能エネルギーの取り組み
【ヨーロッパ視察報告(その1)】
GWを利用してヨーロッパへ視察に来ています。
前半はドイツで再生可能エネルギーの取組みを、後半はエストニアのICTの取組みを視察します。いずれも世界最先端の取組みで、両分野をライフワークとする私としては、またとない絶好のチャンスなので、GW初の海外出張ですが、思い切って行くことにしました。
初日は、ドイツ南西部ラインラント・プファルツ州にあるライン・フンスリュック郡の取組みを視察しました。
ドイツには323の郡と117の市があります。さらに各郡の下に数十から数百の自治体があり、その数は約1万2千を超えます。ライン・フンスリュック郡は人口10万人ですが、その下に137の自治体があり、そのうち7割は人口500人以下だそうです。各自治体の首長と議会議員は選挙で選ばれ、任期は8年ですが、そのほとんどは名誉職(ボランティア)だそうです。
ライン・フンスリュック郡は、20年前から始めた再生可能エネルギーの取組みが世界的に評価され、各国から視察が来るそうですが、日本の国会議員の視察は初めてとのことで、とても歓迎してくださり、郡長自らが一日案内をしてくださいました。
郡長は言います。
「世界を変えるためには、まずは子どもたちから」
そのため、小中高校でゴミの分別や省エネ・再エネの必要性を徹底的に教えるそうです。
「再エネよりも、まずは省エネから」
が持論で、郡内の公共施設14か所を抽出し、1時間ごとにモニタリングを実施し、どこに無駄があるかを徹底的に検証し、25%の省エネに成功します。初期投資はかかりますが、10年後には採算が取れ、その後は収益を生み出すことを実証し、郡議会議員を説得したそうです。
また郡内を全てLED化し、日中に太陽光で発電した電気を蓄電し、夜使うシステムも導入し、これも10年で採算がとれたそうです。
さらに市民に古い冷蔵庫、暖房等を買い替えれば、どれだけ節電できるかをわかりやすく広報誌等でPRし、買い替えを勧めたそうです。
郡内に3名の省エネアドバイザーを雇用し、主に貧困家庭を中心にアドバイスを行って、エネルギーコストの削減にも努めます。
省エネも再エネも、首長の意思一つだなあ…と思わせる力強い郡長でした。
郡長からの最後の言葉。
「省エネも再エネも一番できるのは地方自治体だ。公共施設を管理し、建設許可の権限も握っている。日本も地方からの省エネ・再エネを進めるべきだ。」
全く同感です。
帰国したらさっそく一人でも多くの地方自治体のリーダーにこの話を伝えたいと思います。