「総合支援資金の再貸付延長」と「積極財政」を財務省へ要請
財務省の宇波主計局次長と田中主計官(厚生労働担当)と面会し、「総合支援資金の再貸付延長と自立支援資金の要件緩和」について、国民民主党玉木代表から麻生財務大臣への要望書を手渡し、併せて「積極(反緊縮)財政」についても議論を交わしました。
冒頭、宇波次長から「高井議員のツイッターはいつも読んでおります」と言われ、ちょっと驚きました。
「総合支援資金の再貸付延長と自立支援資金の要件緩和」の要望書について
宇波次長からは、
●コロナ禍による生活困窮者には、住宅確保給付金、雇用調整助成金など重層的なセーフティーネットを用意しており、ぜひこちらを活用してほしい。
●総合支援資金をこれ以上借りられない人のために自立支援金(給付)の制度を創った。
●自立支援金の支給が当初予定の20万人を大きく下回り1割(2万人)に留まっている点は厚労省と相談の上改善したい。ただし収入・資産要件は、住居確保給付金など他の助成金との横並びがあり、自立支援金のみ変えるわけにはいかないので、求職要件(ハローワーク通い)について見直したい。
●社会福祉協議会の対応が地域によって違うなどの改善要望は全くその通りなので、厚労省に改善を求めたい。
との回答でした。私からは、
〇住居確保給付金等の対象にはならないが、長引く緊急事態宣言により仕事が減って苦しんでいる人がたくさんいる。総合支援資金はそうした人々全体を救うとてもいい制度だ。どうか総合支援資金を延長してほしい。
〇財務省は財源を心配して「給付」に慎重なのだろうが、総合支援資金は「貸付」だ。ツイッターでも「必ず返済する」との声が多数で財源を心配する必要はない。
〇自立支援金は収入・資産要件を変更しなければ対象はほとんど増えない。国会でも「20万人に支給する」と答弁しており、収入・資産要件も含めて見直すべきだ。
と申し上げましたが、話は平行線でした。
「積極(反緊縮)財政」について
私から、
〇本日の厚生労働委員会でも自民・公明・立憲・共産・国民の質疑者全員が「コロナ患者を受入れる医療機関への診療報酬特例の廃止」について取り消すよう強く迫った。コロナ禍の真っ只中の今なぜ予算をケチるのか。
〇私との13回にわたる質疑で、財務省が緊縮財政をめざす最大の理由は「社会保障の受益と負担のアンバランスの改善」であることがわかったが、それは今やることなのか。今やるべきは財政健全化ではなく、国民生活を守ることであり、諸外国もみな積極財政に転換している。
と申し上げたところ、宇波次長からは、
●予算はケチっていない。「診療報酬特例の廃止」はコロナ患者を受入れていない病院にまでお金が回ってしまう制度の不公平を改善するもの。真にコロナ患者を治療する医療機関に適切な予算が回るような制度を厚労省と検討している。
●「社会保障の受益と負担のアンバランスを改善」するためには、①経済を成長させる、②社会保障の給付を減らす、③税も含めて国民の負担を増やす、の3つしか方法はない。
との回答でした。私からは、
〇民間病院がコロナ患者を受入れないのは、補助金が使い勝手が悪いから。コロナ患者病床1床1950万円の補助金も半分しか使われていない。もっと使い勝手の良い補助金にすべきだ。
〇「①経済を成長させる」ためには、積極財政が何より効果的だ。日本のGDPの6割は個人消費であり、国民一律給付や消費税減税で個人消費を伸ばすことが最も経済成長につながる。
など申し上げたが、こちらも平行線。
30分という限られた時間で、一致点はなかなか見い出せなかったが、最後に私が、
「総合支援資金と自立支援金の中間のような制度を創ってはどうか。自立支援金は金額が少ないのと収入・資産要件が厳し過ぎるので極めて評判が悪い。どうしても20万円×3ヵ月の貸付が難しいのであれば、金額をもう少し少なくしてでも、総合支援資金の再貸付延長は何としてもやってほしい」
と申し上げると、宇波次長、田中主計官ともに、少し顔色が変わりました。
これだけ要請を続けても、頑として動かない財務省の姿勢を見ていると、「100点を目指して0点で終わる」よりは「80点でもいいから実現させる」という発想でいかなければならない気がしてきました。
今日の議論を踏まえて、玉木代表とも相談し、次の戦略を練りたいと思います。