政府ヒアリング その23「来年度の治水対策予算」(国土交通省)
政府ヒアリング その23「来年度の治水対策予算」(国土交通省)
国土交通省から、来年度の治水対策予算の説明を聞きました。
現在、国土交通省は、今回の西日本豪雨災害を踏まえて、治水対策として5273億円(対前年度比33%増)を財務省に要求しています。
その主な内容は、ハード対策としては、
〇水害により被害を受けた地域の集中的な災害防災対策の強化
〇計画的な堤防のかさ上げや浸透対策の強化
〇越水しても決壊までの時間を引き延ばす堤防構造の改善
等々。
また、今年度予算(予備費)と併せて、平成30年度から35年度まで「真備緊急治水対策」として500億円を計上し、小田川合流点付替え工事、小田川の掘削、堤防かさ上げ、堤防強化を実施する方針。これにより、当初10年間かけて行う予定だった小田川合流点付替え工事は5年間で完了することになります。発災当初、岡山河川事務所長は「前倒しは頑張っても2~3年が限度」と言っていたので、かなりの進歩です。
ソフト対策としては、
〇「水害対応タイムライン」を策定・運用
〇大規模水害を想定した排水対策の推進
〇河川、ダム等に流入、漂着する流木等の効率的な処理の推進
等々。
「水害対応タイムライン」とは、国直轄河川流域の730市町村と、都道府県直轄河川流域の430市町村に対して、気象庁の予報と、国土交通省(河川事務所)からの水位情報、ダム放流情報等をどのタイミングで提供し、それに応じてどのタイミングで避難勧告や避難指示を出せばよいかを示すタイムライン(防災行動計画)を策定するものです。
今回の水害を教訓として、市町村に避難勧告・指示を任せすぎる体制を改善したいと考えていたので、この「水害対応タイムライン」には大いに期待したいと思います。これが「机上の空論」とならないように、しっかりチェックしてまいります。