ダム治水対策の責任者である岡山県土木部河川課長からヒアリングを行い、更にそれを確かめるために旭川ダムへ行ってきました。
今回の豪雨災害では、高梁川・小田川だけでなく、旭川でも決壊や越水があり、旭川流域の建部や御津、牧石、牟佐、岡北地区等で大きな被害となりました。
その原因の一つが旭川ダムの放流ではないかとの声があるため、ダム治水対策の責任者である岡山県土木部河川課長からヒアリングを行い、更にそれを確かめるために旭川ダムへ行ってきました。
河川課長からは、「規則で定められた放流量内で放流を行ない、河川周辺へのサイレン吹鳴も適時実施した」とのことで、問題となっている愛媛県の野村ダム、鹿野川ダムのケースとは全く違うとのことでした。
今回の洪水は、支川から本流への流入量が増加したことが最大の原因で、ダム放流の1.7倍以上が支川から流入しており、ダムの洪水調節によって1.2mの水位を低減させたと分析しています。
確かに、降雨量と貯水量と放流量のグラフを見る限り、放流によりピークの山をずらし、ピークの流量を低減させる効果を上げているように見えます。
一方で、今回の降雨量は旭川ダム計画量の1.5倍もあったことや、旭川ダムがもともと発電目的で建設されたダムであり、構造上、洪水調節容量が少ないそうで、今後の豪雨に備えて、今のままのダムの構造でいいのか、検証する必要もあります。
ダムの洪水調節は、操作規則に従ってやるとはいえ、降雨量の予測をにらみながら、瞬時の判断が必要で、実際に操作を行うダム管理事務所長の判断に負うところが極めて大きいです。
いずれにしても、ダムのみに頼る治水対策ではなく、堤防の強化や河川の浚せつ、樹木伐採等を併用しながら、総合的な治水対策を考えていかなければなりません。