「フィンテック法案」の審議(財務金融委員会)で、質問に立ちました

「フィンテック法案」の審議(財務金融委員会)で、質問に立ちました。

財務金融委員会は初めてですが、麻生太郎副総理(財務・金融担当大臣)と1時間議論できたことは大変有意義でした。

フィンテックは、単なる「金融業のIT化」にとどまらず、「社会経済の仕組みそのものを根底から変える革命である」という私の持論を述べ、それに基づく質問を行いました。

フィンテックの本質を理解していただくために、冒頭敢えてドギツイ言葉を使いました。

「フィンテックによって、銀行はいらなくなります。」

「AI(人工知能)とビックデータ解析によって、IT企業が最適な融資を行えるようになります。これにより、『成功するプロジェクトなのにお金が借りられなかった』『失敗するプロジェクトに銀行がお金を貸してくれた』という事例は無くなり、社会全体に効率的にお金が配分されるようになります。」

「世界の銀行トップは既に『これからのライバルはグーグルやフェイスブックである』と言っています。」

世界各国(特に米国、英国、オーストラリア、シンガポール、香港等)は既に国家戦略として取組んでいます。フィンテックに対する投資額は世界で1.4兆円、米国だけで1000億円を超えていますが、わが国はまだ50億円程度にとどまっています(世界10位)。英国のキャメロン首相は東南アジア歴訪にフィンテック企業を帯同し、「英国がフィンテックをリードする」と主張。シンガポールや香港はアジアのハブ(拠点)になろうと世界中のフィンテック企業誘致に力を入れています。

わが国でも、民間企業を中心にフィンテックへの期待は高まっていますが、政府の対応はまだまだ不十分で、現在取組んでいるのは金融庁と経済産業省のみ。フィンテックにかかる規制は各省庁にまたがっており(犯罪収益移転防止法は警察庁、割賦販売法は経済産業省、民法・商法は法務省等々)、内閣官房「IT総合戦略室」が総合調整を行うべきと指摘しました。

また、昨年6月に策定された「成長戦略」(日本再興戦略)には、「フィンテック」という言葉は一言も出てきません。次期「成長戦略」には必ず「柱」として入れるべき、と申し上げました。

この他、昨年10月と本年2月に開催した「超党派フィンテック勉強会」等で頂戴したフィンテック企業からの要望・提案事項をもとに、以下のような質問をしました。

① 金融庁にIT人材を増やすため、民間と人事交流すべき。民間主導で立ち上がったFINOLABなどに人を派遣することも検討すべき。
② 民間の金融機関やITベンダーにフィンテック投資を促すべき。
③ 仮想通貨対する消費税は非課税とすべき。
④ 犯罪収益移転防止法の本人確認はインターネット上でできるようにすべき。
⑤ 100万円以下の海外送金のマイナンバー記載は不要にすべき。
⑥ LINE等のゲームアプリにまで資金決済法「前払式支払手段」を適用すべきではない。
⑦ 金融インフラのAPIをフィンテックベンチャー等に開放すべき。
⑧ フィンテック企業には金融機関と同じ(FISC基準のように厳しい)セキュリティスタンダードを求めるべきではない。
(※政府からの回答は後ほど、動画をアップしますので、そちらをご覧ください。)

1時間みっちりフィンテックだけの議論ができましたので、麻生副総理に対して、フィンテックの果たす役割(金融にとどまらず社会経済全体の変革を生む点)と、成長戦略の柱として国(政府)を挙げて支援すべきということを理解していただくいいチャンスになったと思います。