消費税が10%へ引上げられました。

消費税が10%へ引上げられました。

この間、消費税増税反対を訴え続けてきましたが、自らの力不足に忸怩たる思いで一杯です。

しかし、「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」

間違った政策は、今からでも改めなければなりません。

我々が今一番にやるべきことは、「国の借金返済」ではなく「国民生活を豊かにする」ことです。

20年間デフレが続き、経済成長ゼロの国は世界中で日本だけ。GDP(国内総生産)の6割が個人消費の日本で、オリンピック後の景気後退が予想される中での消費税増税は自殺行為です。

確かに日本政府の債務残高は対GDP比240%を超え、財政破綻したギリシャを上回っています(ギリシャは180%)。しかし、財務省も認める通り、自国通貨建ての国債が返済不能になることはあり得ません。加えて国債の9割は日本国民が保有しています(ギリシャ国債はユーロ建てで、国債保有者の大半は外国人です)。日本の国債金利は無借金のドイツと並んで世界最低水準であり、更に国債を発行しても、当分の間、財政破綻する可能性はありません。

消費税は逆進性が強く(低所得者に負担が重い)、格差を拡げる税制です。昭和の時代「一億総中流」と言われた日本は、平成元年消費税導入以降の30年間で「格差大国」となってしまいました。年収200万円以下が1100万人もいる一方で、資産1億円以上が316万人。貧困率15%は米国に次いで世界2位です。

世界有数の「格差大国」日本が今やるべきは、法人税や所得税、相続税、金融取引税の累進性強化(高所得者に高い税率を適用する方式)です。法人税を米国並みの累進税率とすれば、多くの中小零細企業は減税となります。様々な優遇措置(租税特別措置等)により法人税を免除されている大企業に相応の負担をお願いすれば、消費税減税分の税収は十分確保できます。

消費税は景気に左右されない「安定財源」です。しかしそれを望むのは「財政再建」が至上命題の財務省であって、彼らの意向に付き合う必要はありません。

格差が拡がり過ぎた日本が取るべき政策は、「格差を拡大する税(消費増税)」から「格差を是正する税(富裕層への課税)」へのシフトです。