【欧州出張報告その18(スペイン地方行政省)】

【欧州出張報告その18(スペイン地方行政省)】

スペインの首都マドリードに「地方行政省」(日本の総務省に相当)を訪ね、ベガス国際関係総局長、サンチェス地方調整総局次長から話を聞きました。

地方行政省では、大臣を地方政策長官、行政長官が補佐し、それぞれに地方調整総局(自治州・地方協力局、自治州・地方関連法制局)、デジタル行政総局(行政局、行政管理局)等が存在します。

スペインの地方自治体は、17州、50県、8111市で構成されています。

州議会議員は、拘束名簿式比例代表制による直接選挙(任期4年、解散あり)で選ばれ、知事は議員による間接選挙で選出されます。

県議会議員は、県内の市議会議員による間接選挙(任期4年、解散あり)で選ばれ、知事は議員による間接選挙で選出され、議長を兼ねます。

市議会議員は、拘束名簿式比例代表制による直接選挙(任期4年、解散あり)で選ばれ、知事は議員による間接選挙で選出され、議長を兼ねます。

1978年憲法ではじめて「地方自治」が定義されます。歴史的経緯から、まずはカタルーニャ州、バスク州、ガルシア州のみに自治権が認められ、1983年にようやく全州に自治権が認められ、州は自治憲章(州憲法)を定めることができようになります。

国全体の予算のうち、国が18%、州が38%、市が13%、社会保険(年金)が31%を占めています。

18世紀のスペイン継承戦争でブルボン王家(現王家)を支持したバスク州とナバラ州だけに認められた「特権制度」があり、両州の徴税権は全て州に移譲されており、州は集めた税収の6.24%を国(政府)に収める制度となっています。

その他の州は、所得税、消費税の50%を州へ。州税は自動車税、ガソリン税、相続・贈与税、電力税、固定資産税、印紙税等。

国(政府)からの州への地方交付金もあります。地方交付金は人口、GDP、面積を勘案した配分基準で公平に決めていますが、州によっては、どれか1つの基準に焦点を充てて不満を述べている場合もあります。配分基準については、州の事情により修正要望を出すこともできます。