第3次補正予算の問題点~菅内閣は本気でコロナ対策をやる気があるのか?~
国民民主党政調会議で「第3次補正予算案」についてヒアリングを行った。
財務省の官房長に第3次補正予算案について指摘
総額19兆円の予算だが、「コロナ感染拡大防止対策」はわずか4.4兆円で、「ポストコロナに向けた経済構造の転換(11.7兆円)」や「国土強靭化(3.1兆円)」などは今すぐ必要な予算なのか甚だ疑問だ。
財務省の官房長が説明に来たので以下の2点を指摘した。
- この予算は昨年12月15日に閣議決定されたものだが、あれから1ヵ月経って状況は一変した。多くの国民はコロナ対策に全集中することを望んでいる。予算を組替えようという議論は官邸や財務省でなかったのか?
- 「デジタル化」「カーボンニュートラル」「不妊治療支援」などは大いに賛成だ。しかし目玉政策がなぜ補正予算なのか。補正予算は1回限りだ。重要な政策こそ本予算に計上すべきだ。
官房長からは「予算組替えの議論は官邸でも財務省でもなかった」との驚くべき答え。「議論の結果このままいくことにした」というならまだわからなくもないが、議論すらしていないとは、国民感情とあまりにもかけ離れている。
新型コロナ対策に特化した補正予算の組替え案の作成を担当
業を煮やした玉木代表から「組替え案」を準備するよう指示され、作成を担当した。
補正予算は「コロナ対策に直接関連するもの」のみに限定し、削減した分は、昨年11月27日に国民民主党が発表した緊急経済対策(48兆円)の中から、特に必要性の高いものを盛り込んだ。
新型コロナ対策に直接関連するものへの補正予算の組替え案
- 現役世代へ10万円の一律給付(所得税還付)
- 総合支援資金の貸付期間延長
- 持続化給付金・家賃支援給付金の増額・要件緩和
- 雇用調整助成金の延長と対象拡大(大企業の社員にも)
- 医療機関への経営支援(損失補填に使途を拡充)
- 地方創生臨時交付金(休業要請協力金)の増額
- 学生への授業料半額・20万円給付金の拡大・奨学金の返済免除
20兆円近い持ち出しになるが、足りない分は国債で賄う。今は財政再建よりも、コロナ禍で苦しむ国民に全力で寄り添う予算を成立させることが何より大事だ。
菅内閣では議論されなかった「コロナ対策に特化した補正予算の組替え」を国会ではしっかり議論する。
第3次補正予算の問題点を動画で解説
第3次補正予算の問題点を小学生にもわかるように動画で解説しましたので、ぜひご視聴ください。
※動画を視聴する際は音が出ますので音量にご注意ください