災害対策の司令塔「防災省」を創設し、消防団と連携すべき
衆議院災害対策特別委員会にて、災害先進国イタリアの事例を紹介し、「防災省」の必要性を訴えました。
2年半前の西日本豪雨災害の時、被災地の避難所を回ってみて痛感したのは、「避難所の運営を被災した自治体が行うのは無理だ」ということでした。
自治体によっては、首長の判断によって、
- 避難所での炊き出し禁止
- 泥かきのボランティアを受け入れない
といった「あり得ない判断」がまかり通り、自治体によって被災者支援に相当のバラツキが生じていました。
被災者支援は自治体によって格差があってはならず、「全国統一の基準」によって行われるべきであり、そのためには、国に「防災省」のような司令塔が必要です。
日本の災害対策は、内閣府(防災担当)に各省庁から集められた100名程度の職員が担当しており、2~3年おきに人事異動で代わってしまいます。一方イタリアでは、「市民保護省」に災害対策を専門とする職員が700名おり、更に驚いたのは46のボランティア団体がそれぞれ1部屋ずつ割り当てられ、24時間365日常駐していることです。
災害発生から35分以内に災害対策会議を開くことが法律で決められており、実際2009年ラクイナ地震では午前3時32分の発災に4時14分には会議が開かれ、4時40分には支援部隊が出発しています(イタリア視察の際に現地で確認)。
イタリアでは災害ボランティアが全国津々浦々に組織化され、80万人が実際に活動しています(登録者数は120万人)。ボランティアに参加した際には、仕事を休んだ分の給与は国が補償してくれます。
日本では「消防団」がこれに近い組織(日本の消防団員は82万人)であり、被災者支援における「消防団」の活用をはじめ、政府とボランティア団体との連携強化を提案しました。
イタリアの事例を参考にした私からの提案に真剣に頷きながら聞いていた小此木防災担当大臣からは、「委員の今のご指摘は参考にさせて頂きたいと思います」との答弁がありました。
さらに、委員会の終了後に、赤沢副大臣が歩み寄ってきて、
「質問とても良かったです。内閣府では、今まさに消防団の活用を検討しており、イタリアの例はとても勉強になりました。ぜひ高井議員の知恵を貸してください」
と言われたので、一緒にイタリアへ視察に行った榛沢和彦新潟大教授(避難所・避難生活者学会代表)を紹介する旨をお伝えしました。
西日本豪雨災害を経験した国会議員として、ライフワークと決めた「防災・減災」「被災者支援」に引き続き取り組んでまいります。
委員会質疑の模様を以下よりご覧いただけます。
※動画を視聴する際は音が出ますので音量にご注意ください