本日の朝日新聞に、阪田雅裕元内閣法制局長官のインタビュー記事が掲載されています

本日の朝日新聞に、阪田雅裕元内閣法制局長官(1966年大蔵省入省。2004年8月から06年9月まで小泉内閣で内閣法制局長官を務める)のインタビュー記事が掲載されています。まさに私が日頃街頭で訴えていることなので、紹介しておきます。

「国会で政府が何千回と説明した憲法解釈でも、直近の選挙で多数を取れば『政策上の必要性』から変更できるとなれば、法規範としての憲法の意義は失われてしまう。国民の権利や自由が権力によって恣意的に侵害される。立憲主義破壊の一歩だ。これが許されるなら、徴兵制を合憲とすることだって、たやすい。」

「重要なのは国会のチェックだ。(中略)内閣法制局は運用のブレーキ役にはなれない。国会の役割は極めて重い。そのためにも有権者は次の国政選挙で『許していない』という意思を示してほしい。一時騒がれたが大したことなかったとなれば、立憲主義の破壊を追認してしまう。法律が甘く運用され、国際情勢の変化を大義にさらなる解釈改憲が進められる可能性もある。国民が声を上げ続けられるかどうかが今後のカギだ。」

徴兵制の話は、全く同感です。共産党や一部の民主党左派が言っているだけではありません。大蔵省に入り、自民党政権下で内閣法制局長官を務めた方がそう言っているのです。おそらく、多くの法律の専門家は同意見のはずです。憲法18条で「苦役」は禁止されていますが、「徴兵制」そのものを禁止しているわけではありません。今の総理は国会で、「徴兵制=苦役」と繰り返し答弁していますが、未来の総理が「徴兵制=苦役ではない」と言えば、徴兵制はとたんに合憲になってしまう可能性があります。(現に、次期首相の有力候補の石破大臣は「徴兵制は苦役ではない」と答えています。)