総務委員会と予算委員会。2日連続で、両備バス・岡電バスの31路線廃止問題を取り上げました。

総務委員会と予算委員会。2日連続で、両備バス・岡電バスの31路線廃止問題を取り上げました。

この問題は、岡山だけの問題ではなく、全国の地域公共交通の存亡に関わる大問題だからです。

私から、総務大臣と国土交通大臣に申し上げたのは、以下の点です。

〇両備グループは、これまで和歌山電鐵、中国バス、井笠バスなど、経営破綻した赤字路線を赤字覚悟で引き取った実績がある。にもかかわらず、今回31路線の廃止届を出したのは、会社の利益のためではなく、全国の地域公共交通を守るための苦渋の決断である。

〇両備グループのみならず多くのバス会社は3割の黒字路線で7割の赤字路線を維持している。今回のように黒字路線にのみ新規参入を認めれば、赤字路線を維持できなくなるのは誰が見ても明らか。

〇民間企業が赤字路線を維持できなくなれば、税金を投入するしかない。なぜ今まで民間企業が税金を使わずに維持してきた地域公共交通網を壊すようなことを国交省は認めるのか。

〇国交省は「法律の要件を満たすので認可した」と言い張るが、認可基準のみでなく、法律の目的や「健全な発達を阻害する結果が生じるような競争をしてはならない」という条文を解釈すれば認可できないはず。

〇これが認可せざるを得ないのであれば、法律がおかしいことになる。法律を変えずとも運用で何とかできると思うが、それが無理なら法律を変えるしかない。

〇両備グループは国交省や岡山市に対して事前に何度も相談し、周辺の倉敷市、瀬戸内市、玉野市の市長からも認可反対の意見書が出ていたと聞いている。7年前から地域協議会の設置を求めてきたのに、なぜ今まで放置してきたのか。

〇遅ればせながら地域協議会が設置され、国交省も参加すると聞く。国交省は自治体任せにするのではなく、リーダーシップを発揮して、この事態を収拾して欲しい。

総務委員会では、与党席からも私の主張に賛同するヤジが飛び、国交省の答弁に不満の声が上がりました。野田聖子総務大臣も大きく頷きながら、私の主張を聞いてくれました。

石井啓一国土交通大臣は慎重な答弁でしたが、問題の本質はわかっていただけたように思います。

この問題は、岡山でも誤解されているように思いますが、両備グループだけの話ではなく、地域公共交通(道路運送法)の根本的な問題です。2002年小泉改革による行き過ぎた規制緩和によって、認可基準が緩くなりすぎたことの弊害です。これまではこのような申請は認可されないと思い、誰も申請してこなかっただけなのです。私もまさか国交省が認可するとは思いませんでした。国交省もまさか両備グループが廃止届を出すとは思わなかったのでしょう。このような事態となった今、国土交通省は法律を抜本的に見直すべきです。さもなくば、全国の地域公共交通の赤字路線は軒並み廃止され、結局多額の税金が投入されることになります。