【欧州出張報告その16(バルセロナ総領事館)】
【欧州出張報告その16(バルセロナ総領事館)】
在バルセロナ日本国総領事館を訪ね、渡邉総領事から話を伺いました。
スペイン第二の都市バルセロナ(人口162万人)を州都とするカタルーニャ州(人口754万人)は、歴史的経緯や様々な事情により(※)、スペイン政府から独立を目指しています。
2006年にカタルーニャ州は独立を宣言するものの、スペイン政府は憲法裁判所に提訴。2010年に違憲判決が出ますが、これに反発したカタルーニャ州民はバルセロナで150万人を超えるデモを行います。
2017年10月、カタルーニャ州の独立を問う住民投票が行われ、賛成多数で可決。これに対して、スペイン政府は憲法に基づき、カタルーニャ州の自治権を停止し、プッチダモン知事を解任。州幹部を逮捕・拘束します。しかし、その後の州議会選挙でも独立派が勝利し、新知事にはプッチダモン氏(ベルギーに亡命中)の後継者であるトーラ氏が選出され、現在、予断を許さない状況が続いています。
(※)カタルーニャ独立の歴史的経緯と様々な事情
1492年カスティーリャ王国とアラゴン王国(カタルーニャ)が合併してスペイン王国が誕生しますが、この頃からカスティーリャ(マドリード)とカタルーニャ(バルセロナ)は敵対関係にあります。1714年スペイン継承戦争(ブルボン家とハプスブルグ家の戦い)によって王位に就いたフェリペ5世(ブルボン家)は、ハプスブルグ家を支援したカタルーニャを冷遇し、カスティーリャ中心の政治を進めます。他方、カタルーニャは州都バルセロナを中心に産業は発展し、スペインGDPの20%を占めるに至りますが、納税額に比べて予算配分が不公平との不満が募り、独立運動に発展しています。