なぜ今「プライマリーバランス黒字化」なのか?(「MMT・反緊縮」財務省と12度目の質疑)

6月12日の厚生労働委員会において「MMT・反緊縮」をテーマに財務省と12度目の質疑。

以下は議事録の要約版です。詳しく(正確に)知りたい方は動画をご覧ください。

 

(高井)一昨日報道された「骨太の方針」を見て驚いた。今さら「プライマリーバランス(PB)の黒字化堅持」などこの状況でよく言うなと。世界各国見ても、アメリカ、イギリス、ドイツでも今は積極財政でコロナ禍を乗り切ると。その中でワクチンでも給付金でも日本が一番遅れている。世界と歩調を合わせて積極財政でやらなければならない時になんと「ピント外れでKY(空気が読めない)」なのかと思った。なぜ今PB黒字化などと言うのか。

(伊藤副大臣)新型コロナ対策は他の先進国に比べても十分な規模の対応を行っている。また新型コロナに必要な支出を行いつつ財政健全化をめざす考え方自体は各国の動向を見ても大きく異なるものではない。例えば米国では4兆ドルの経済対策に合わせて税制改革案を発表し対策の全財源を賄う方針を示している。英国では財務大臣が財政健全化の必要性を演説し法人税率の引き上げを発表した。EUはコロナ禍のために発行する債券の償還財源として新たな賦課金の検討を行っている。日本の財政は少子高齢化の進行を背景に、社会保障の受益と負担のアンバランスという構造的な課題を抱えている。引き続き、目下の対策を行いながら、2025年度PB黒字化の目標達成に向けて、社会保障の持続可能性を高める改革など、歳出歳入両面の取組を継続していきたい。

(高井)つまみ食いのような財務省にとって都合のいい各国の政策だけ挙げられた気がする。全体的な流れを見れば、経済学者や米財務長官ですら積極財政に向かう発言をしている中で、今「PB黒字化」なんて見出しが出たら国民は失望すると思う。百歩譲って、生活困窮者に対する貸付「総合支援資金」は予算額はわずか1400億円。しかも貸付だから返ってくる。財務副大臣が「田村厚労大臣に任せます」と言ってほしい。

(伊藤副大臣)困窮者自立支援金も含めて重層的なセーフティーネットにより生活に困窮される方々の支援をしっかり行ってまいりたい。

【動画】https://takaitakashi.com/archives/41572