政府ヒアリング その25「避難所運営ガイドライン」(内閣府)
政府ヒアリング その25「避難所運営ガイドライン」(内閣府)
東日本大震災の教訓を踏まえ、2013年6月、災害対策基本法に「避難所の生活環境の整備(86条の6)」と「避難所以外の被災者への配慮(86条の7)」の条文が追加されました。
これを受けて、内閣府は、2013年8月に「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」を策定し、同指針に基づき2016年4月に「避難所運営ガイドライン」を策定し、全国の自治体に対して「避難所運営の手引き(マニュアル)の作成」を求めています。
しかし、内閣府の調査によれば、マニュアルを作成済の市町村は全体の6割にとどまり、作成中が2割、作成していないが2割という状況です。
「避難所運営ガイドライン」では、
「各避難所の運営について、あらかじめ運営責任者を決定しておくほか、学校施設管理者、自治会等との間で日頃から協力関係を構築しておくことが望ましい」
となっていますが、今回避難所を回ってみて、事前にそのような取組みが行われていた形跡はありませんでした。
また、
「可能であれば、避難所にテレビ・ラジオ・パソコンを設置し、被災者自らが情報収集できる手段を提供すべき」
となっていますが、発災当初、そのような避難所は皆無でした。
更に、
「必要に応じて、簡易ベッド、間仕切り用パーテーション、冷暖房機器、洗濯機、テレビ・ラジオ…等を整備すべき」
とありますが、「必要に応じて」では、どの自治体もやらないでしょう。
また、食事については、
「原材料表示を示した献立表を掲示すること」
「文化・宗教上の理由による食事を配慮する事」
などの記述はあるものの、
「同じメニューの食事を出さないこと」
といった記述はありません。
今回の災害を教訓にして、災害先進国イタリア等の制度も参考にしながら、より良い「避難所運営ガイドライン」を作り直さなければならないと強く決意しました。