「避難所・避難生活学会」理事長の榛沢和彦新潟大学教授とサイバーダイン社の宇賀伸二CFO(大学の同級生)が岡山を訪ねてくれました。
「避難所・避難生活学会」理事長の榛沢和彦新潟大学教授とサイバーダイン社の宇賀伸二CFO(大学の同級生)が岡山を訪ねてくれました。
榛沢教授は、西日本豪雨で被害の大きかった3県(岡山、広島、愛媛)の避難所を回り、実態調査をしておられるので、情報交換しました。
榛沢教授からの情報で調べてみて驚いたのですが、倉敷市の避難所で配られた弁当は全てセブンイレブンに発注したそうです。倉敷市の担当者の話では、「発災当初は配送が一番のネックだったので、安定供給できるのはセブンイレブンしかなかった」とのこと。
また、朝は「梅、こんぶ、明太子のおにぎり」、昼は「メロンパン、くるくるバタースコッチ」のみで、2か月間ずっと同じメニューだったそうです。理由は「食中毒が心配で、セブンイレブンとして責任を持って出せるのはこれしかなかった」とのこと。
もちろんボランティアの皆さんによる炊き出しはありましたが、これも避難所によってばらつきがあり、8月上旬までなかった避難所もあります。また、食中毒を気にするあまり、かなり制約が多かったようです。
榛沢教授によると、避難所の食事は自治体によってかなりばらつきがあり、愛媛県西予市は学校給食センターが毎日献立を変えて温かい料理を提供していますが、広島県坂町は炊き出しを1回も行っていなかったりします。(ちなみに坂町の吉田町長は7期連続無投票当選の方です。)
しかし、私は被災自治体を責めても仕方がないと思います。どの自治体も一生に一度あるかないかの経験なのですから、完璧にできるわけがない。それよりも、何度も何度も何度も災害を経験している国や都道府県がもっと責任を持つ体制を作るべきです。
今回、国や県の担当者と話をしていて、何度「それは市の仕事ですから」というセリフを聞いたことか。
災害先進国イタリアでは、避難所の運営は、被災自治体ではなく別の自治体が担う仕組みができており、発災から24時間以内に、あらかじめ協定を結んである自治体が、テント、ベッド、トイレをトレーラーに積んで100名体制(行政職員数名、医師・看護師等20名、残りはボランティア団体からの派遣)で避難所へ向かうそうです。
食事のメニューも、避難者の食べ残しの状況を見ながら、毎日献立を変えるなどの気配りをするそうです。
日本の避難所とは雲泥の差です。榛沢教授は何度もイタリアへ視察に行っており、次回の視察には私も同行させてもらおうと考えています。