大義なき「アベノタメノ解散」と断固闘う
「ばかやろう解散」「黒い霧解散」「死んだふり解散」「郵政解散」
解散にはいろいろなネーミングがつきものだが、今回はこのネーミングがぴったりだと思う。
「解散は総理の専権事項」なんて言葉を平気で言う閣僚やマスコミは不見識極まりない。(民進党議員からもたまに聞かれることが嘆かわしい。)
解散を総理が決めていいなんて、憲法のどこにも書いていない。かつて吉田茂首相が衆議院を解散した際、最高裁で「憲法違反」を争われたことがあるが、最高裁は「政治性の高い統治行為」として判断を見送っている。
主要先進国35カ国中解散権に制約のない国はカナダ、デンマーク、ギリシャ、日本の4カ国だけ。日本がお手本としてきた英国も6年前に法律を作って首相の解散権を制限している。私はこれまで繰り返し「解散は総理の専権事項ではないし、それを明確にする法律を作るべき」と主張し、内閣委員会で菅官房長官とも議論してきた。
我が党からも「野党は解散でしか議席を伸ばせないのだから歓迎」的な発言が散見されるが、これこそ私が批判してきた「自分の党の事しか考えていない」発想だ。国民の立場に立てば、この解散には何のメリットもない。1回の選挙にかかる経費は600億円。これだけの税金を使って今「国民に信を問いたい」ことがあるのか?ましてや北朝鮮のミサイルがいつ発射されるかわからない時に政治空白をつくってまで、問いたいことがあるのか?週明けに総理は記者会見するそうだが、「解散の大義」が何かぜひ聞いてみたい。
今回のことに限らず、今、国民が不満に思っているのは「安倍政権の権力の私物化」ではないか。官邸で人事も決める。予算も決める。法律も決める。国会も開かない。長年積み重ねた憲法解釈を変更し、憲法改正案まで勝手に決める。自民党の中にすら相談のない、まさに「独裁」と言ってもいい「権力の私物化」に対する不満の声ではないか。
こうした「権力の私物化」の象徴である「アベノタメノ解散」に対して、私は断固として闘う。