【5月9日】衆議院・厚生労働委員会/ギャンブル依存症対策を問う
オンラインカジノの利用が拡大し問題になっています。
闇バイトに手を染めた人がオンラインカジノをやっているという事例もあります。
質問を通して問題を理解していただけると思いますのでぜひご覧ください。

○藤丸委員長
次に、高井崇志君。
○高井委員
れいわ新選組の高井でございます。
今日は、ギャンブル依存症の問題について、主管の大臣に問いたいと思いますが、今日は、実は私の地元の埼玉から、ギャンブル依存症問題を考える会、家族会の皆さんが大勢傍聴に来てくださっています。
私は、実は、七年前の二〇一八年にギャンブル依存症対策基本法ができましたが、まさに、考える会や家族会の皆さんの大変な御尽力で当時法案が成立し、それをちょっと私もお手伝いして、関わってまいりました。それから、でも、七年たって、かなり様相が様変わりしてきました。当時はパチンコがやはり結構大きかったんですが、今、オンラインカジノ、この問題が非常に重要になっております。

実は、まず、ギャンブル依存症を是非国会議員の皆さんにも知っていただきたいんですが、これは病気なんですね。誰でもかかる、罹患をする、生活環境などによって、しかも、やめにくいものです。特に今、厚労省の調査では、全人口の一・七%、百八十万人がギャンブル依存症の疑いがあると言われています。
特に、最近は若い人ほどかかりやすい。若い頃からギャンブルを始めると、適度に遊べるようになる人というのは大体三十・六歳から始めた方、しかし、依存症になってしまう方は十八・一歳から、つまり、若いうちにギャンブル。そして、オンラインカジノは特に二十代から三十代が非常に利用が多いということでありますので、是非厚生労働省にお願いしたいのは、特に啓発活動です。若者に対して、ギャンブル依存症というのは大変つらいことになるんだということをしっかり啓発する、これを若者に特に力を入れてやっていただきたいと思いますが、大臣、お答えをお願いします。
○福岡国務大臣
ギャンブル依存症に対しましては、これまでも関係省庁等と連携し、依存症の予防や治療、回復の支援まで、その取組に努めてきたところでございます。
依存症に関する理解を深めていただくためには、若者を含む国民の皆様に広く依存症に関する知識の普及啓発を行うとともに、依存症の方であったり、その御家族の方々などに、治療であったり回復への支援などの取組を知っていただくことが重要だと考えております。これまでも、ポータルサイトであったりSNSによる情報の提供、依存症のリーフレットの配布、普及啓発イベントの開催などに取り組んでおります。
今年度は、こうした取組に加えまして、今御指摘ありましたように、若年層ということでございますので、SNSのより効果的な活用など、若い方にもより身近に感じてもらえるような工夫をすることによりまして、更に依存症に関する正しい理解を進めるように取組を進めてまいりたいと思います。
○高井委員
様々やっていただいていますけれども、やはりちょっと規模が小さい。そもそも予算額が少ないんです。その中で、特に、やはり若者に対して、よく力を入れていただきたい。
そして、まさに予算額なんですけれども、現在八・四億円なんですね。七年前にギャンブル依存症対策基本法が通ったときには、実は、その前が六・一億円だったものが八・一億円まで上がったんですけれども、そこから七年たって、まだ八・四億円しか、三千万円しか増えていない。これがまずそもそも少な過ぎる。
これをもっと増額していただきたいということと、あと、あわせて、もう時間がないのでもう一問聞きますけれども、今日見えておられるギャンブル依存症問題を考える会あるいは家族会、こういった方々は本当に涙ぐましい大変な御尽力をして、特に、やはり当事者の方と相談会というのをやって、あるいは家族と相談会、これがすごく重要なので、こういう方々の活動を支援する、これを是非厚生労働省にはやっていただきたいんですが、大臣、決意を述べてください。
○福岡国務大臣
予算が少ないという御指摘は受け止めた上で、厚生労働省としては、これまでも必要な予算の確保に努めてきたところでございます。
令和七年度予算におきましては、ギャンブル等依存症を含む依存症対策全体の推進に係る予算として八・四億円を計上し、具体的には、依存症支援に取り組む民間団体の方への支援、依存症に関する正しい知識と理解を広めるための普及啓発の実施、依存症対策の全国拠点であります国立病院機構久里浜医療センターにおけます地域の指導者等の養成、研修であったり、依存症に関する調査研究の実施などに必要な予算を計上をしております。厚生労働省としては、これらの取組を着実に進めるために、必要な予算の確保に向けて引き続き取り組んでまいりたいというふうに思います。
また、御紹介いただきましたように、ギャンブル等依存症を始めとする依存症の相談であったり、依存症からの回復等を支援する上で、自助グループであったり家族会等の民間団体の方々には大変重要な役割を担っていただいているというふうに認識をしております。厚生労働省では、全国規模で依存症問題に取り組んでおられます民間団体が行う研修であったり普及啓発等の活動への支援を行っておりまして、令和七年度予算では、対前年度から約二千万円増額した約七千万円を計上させていただいております。
引き続き、民間団体支援を着実に実施させていただくことで、ギャンブル依存症対策にもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○高井委員
七千万円ね。二千万円増やしていただいたのはありがたいですけれども、やはり七千万円では規模が、ギャンブルは二十兆円以上のお金が動いている話ですから、そこに、さっきの八・四億円じゃなくて、本当に一桁違うと言いたいところですけれども、更に予算を増やして、本当にこういう活躍している方がいるわけですから、そういう方々を通して解決を図っていただきたいと思います。
それでは、今日は総務省と警察庁にも来ていただきました。オンラインカジノがやはり非常に問題だということで、実は、オンラインカジノは、既にこの間、警察庁が三月に調査結果を発表しましたけれども、三百三十七万人が利用している。一兆二千四百億円ですよ。これはもう地方競馬と競輪と肩を並べる規模になっている。これはどんどんこれからも増えていきますから、これを何とかしなきゃいけない。
そういった中で、一つは総務省に聞きたいのは、ブロッキング、オンラインですから、接続遮断、これをスイスなんかはやっていますから、あと日本だって児童ポルノはもうできますから、是非ブロッキングをオンラインカジノについてもやっていただきたいということ。
それから、あわせて警察にもお聞きしますけれども、警察は、やはり取締り強化ですよね。国内でやるのは、これは違法ですから、しっかりこれは取締りを、そのために、やはり予算とか人員規模が全然足りないと言われますから、そこもしっかり増やしていただきたい。
それから、あとは法改正、より厳罰化するということも大事です。是非、やはり厳罰化、法改正も考えていただきたい。ただ、刑罰だけ上げても解決するという話じゃないんですよ。特に、闇バイトをやっている人がオンラインカジノにはまっているという結果がありますので、やはりそういった場合に摘発したとき、あるいは被害者の方なんかの当事者と、その御家族や弁護士に対して、こういう支援団体の方々がいらっしゃるということを是非警察からも、当事者、家族、弁護士に紹介をして、そこにつないでいく、そういうことも是非警察にはやっていただきたいと思いますが、総務省、警察庁、それぞれお答えください。
○大村政府参考人
お答え申し上げます。
オンラインカジノへの対策は重要な課題であると認識しており、総務省としても、実効性のある対応が必要であると考えております。
オンラインカジノサイトへのアクセス抑止の在り方については、総務省におきまして、本年四月に、有識者会議であるオンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会を立ち上げまして、検討を開始したところでございます。
現在、総務省において、この有識者会議で検討を開始したところでございまして、現時点において、ブロッキングの実施の可否を含め、具体的な方向性についてはお答えすることはできませんが、いずれにしましても、通信事業者、またギャンブル依存症の関係者などの意見を聴取しながら、結論に予断を持つことなく、スピード感を持って検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○大濱政府参考人
お答えいたします。
オンラインカジノを含むオンライン上で行われる賭博は、海外において適法に運営されているものであっても、日本国内からこれを行うことは犯罪であり、治安課題上重要な問題であると認識しております。
その検挙状況でございますが、令和五年には十三件、百七人、令和六年には六十二件、二百七十九人を検挙し、このうち、自宅のスマートフォンなどからアクセスして賭博を行う、いわゆる無店舗型のものは、令和五年では五件、三十二人、令和六年には五十五件、二百二十七人を検挙しているところでございます。
今後とも引き続き、警察におきましては、オンライン上で行われる賭博事犯につきまして、賭客のみならず、決済代行業者やアフィリエイター等、運営に関与する者を検挙するなど、厳正な取締りをより一層推進してまいりたいと考えてございます。
○高井委員
時間になってしまったので聞けないんですが、最後に聞いた、やはり支援団体につないでいただく、これは極めて大事ですから、是非、全国の警察にそれを周知していただきたい。また今度、時間をもらって質問しますので、必ずそれをやってください。
じゃ、終わります。ありがとうございます。
ギャンブル依存症問題を考える会の情報はこちらからご覧ください→https://www.scga.jp/
NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会の情報はこちらからご覧ください→https://gdfam.org/