【マレーシア視察報告(その2)財務省シバ主税局長他14名】

【マレーシア視察報告(その2)財務省シバ主税局長他14名】

※昨年9月に消費税を廃止したマレーシアへ超党派議員団で視察(マレーシア大使館によれば国会議員の視察団は初めてとのこと)

GST(消費税)の年間税収は443億リンギ(1兆1300億円)で政府歳入の17~18%を占めていた。これを2018年9月に廃止し、SST(売上・サービス税)に戻した結果、年間税収は220億リンギ(5600億円)となり、223億リンギ(5700億円)の減収となった。(マレーシア政府の歳入は2600億リンギ(7兆円)。日本の歳入は100兆円)

SSTには「波状効果」という弱点がある。SSTを納めるのは事業者だが、価格に転嫁され、結局消費者が支払うことになり、事業者が納税しないと消費者に2重に課税される恐れがある。

今年度、新たに砂糖税と出国税を導入。更に国営石油企業ペトロナス社から特別配当を出させ、GSTの廃止による減収220億リンギ(5600億円)を補った。今後は、政府支出の更なる削減と新税の導入を検討している。

国債発行の上限はGDPの55%と法律で決まっている(現在の国債発行額はGDPの49%)。

GST廃止は、消費者からは喜ばれているが、事業者からは不満が出ている。SSTのシステムは古く、効率的でない。現在、財務省内でSSTを改善する方策(課税ベースを拡大し、税収を増やす)を検討している。

砂糖税により、砂糖の消費量を減らすことができるため、「健康面でよい」と好評であり、出国税も日常生活に影響するものではないため、国民からの批判は少ない。

インフレ率はここ数年1%程度と非常に低い。

個人的な意見だが、GSTの撤廃は望ましくない。タイも消費税を10%を7%に下げた。GSTは透明性の高い税であり、税率の引き下げで対応すべきだ。