先日、「菅官房長官がギャンブル依存症対策としてパチンコ景品交換所の改廃に踏む込む意向」とのニュースが流れました。

先日、「菅官房長官がギャンブル依存症対策としてパチンコ景品交換所の改廃に踏む込む意向」とのニュースが流れた。

パチンコ業界には衝撃が走ったようで、私はすぐに警察庁にその真偽を確認したが、警察庁生活安全局保安課は「菅官房長官からそのような指示は出ておらず、記事の出所も不明」との回答でした。

ただ、ギャンブル依存症対策閣僚会議やテレビ番組等の場において、菅官房長官がパチンコを問題視する発言を行っており、あながちフェイクニュースとは思えません。

私はかねてより、パチンコの景品交換所に疑問を持ち、質問主意書も出してきました。パチンコ客が出玉を特殊な景品と交換し、店舗近くの景品交換所に持ち込んで換金する(業界用語で「3店方式」)などというめんどくさい方法をなぜ行うのか。それは風営法でパチンコは「遊技」とされていて、パチンコ店が直接換金することは禁じられているにも関わらず、警察はこの「3店方式」による事実上の換金を黙認することで、全国のパチンコ業組合に天下りするなどの利益を得ているからです。

これまで賭博は公営のギャンブル(競輪、競馬、宝くじ等)に限られてきましたが、カジノ法によって初めて民間にも解禁されました。「なぜカジノだけ認められるのか?」という基本的な質問に政府は全く答えていません。ならば、パチンコもパチンコ業法を定めて民間のギャンブルとして認めることも可能なはずです。

4年前の消費税引き上げの際に、自民党から「パチンコ業法を制定し、パチンコの換金を合法化する。その代わり、年間数百億~数千億円のパチンコ税を創設する」との案が浮上しました。

警察は「民間による賭博を認めることになる」と断固反対し、立ち消えになりましたが、カジノ法の成立により、もはやその論法は通用しません。

カジノ法が成立してしまった以上、パチンコを正式にギャンブルと位置付けて、その代わり、パチンコ業界にギャンブル依存症対策にかかる費用を負担させる方がいいのではないか?この考えは「ギャンブル依存症を考える会」代表の田中紀子さんも同じ考えであり、賛同するパチンコ店も多いはずです。(多くのパチンコ店はめんどくさい「3店方式」はやめたがっています。)

パチンコ業法が成立すれば、パチンコ業界は警察の裁量権の大きい風営法から外れ、パチンコ業法の明確なルールに則って健全な営業を行うことにつながります。

菅官房長官の真意はわかりませんが、「パチンコ業法の制定によるパチンコ業界の適正化・健全化」という趣旨だとすれば、賛同したいと思います。