倉敷市真備町で被災された家を訪ね、お困りごとをお聞きするとともに、被災当日のお話を伺っています。

倉敷市真備町で被災された家を訪ね、お困りごとをお聞きするとともに、被災当日のお話を伺っています。

避難した方に理由を尋ねると、

「アルミ工場の爆発音を聞いて、これは尋常でないと思ったから。」
「川を見に行って、かつて経験したことのない水位で、溢れそうだったから。」
「近所の人や、親戚や友人から電話があり、逃げたほうがいいと言われたから。」

などで、「携帯電話の避難指示メールを見たから」という方はほとんどいませんでした。

逆に避難しなかった方に理由を聞くと、

「2階にいれば大丈夫だと思ったから。」
「気づいた時には水位が高く、逃げられなかった。」
「避難場所も冠水していた。」

などでした。

ちなみに、真備町ではありませんが、岡山市で避難した方の中には、

「避難場所の体育館にテレビがなく、情報が入らない方が心配で家に帰りました。」

という方もいらっしゃいました。

真備町は江戸時代から水害が多いと語り継がれていたはずですが、そのことを知っていたかを聞いてみると、

「知ってはいたけど、自分が生まれてからはそんな災害が起きたことはなく、まさかこんなことになるとは思わなかった。」

という方が多かったです。

家によって片づけの進度はまちまちで、全て片づけ床抜きも終わりリフォーム業者を待つばかりの家もあれば、まだ全く手つかずの家もあります。

全く手つかずの家の中には、

「何日も前からボランティアセンターにお願いしているけど、一向に来てくれない。」

という方もいらっしゃいました。

ボランティアの派遣先は、独居老人や高齢者優先などの優先順位を付けているため、ある程度は仕方がないとしても、複数回にわたり100名以上のボランティアが入っている家もあれば、一度も来ていない家もあります。

ボランティアのマッチングにも課題があります。

リフォームするか、建て替えるか、悩まれている方も多かったです。

火災保険や地震保険は入っていても、水害保険に入っていない方が多く、被災者生活再建支援金や見舞金だけでは足りずに、悩んでいます。

リフォームするとしても、リフォーム業者の順番待ちで、見積もり取るのに1ヵ月、完成までに1年から2年といった状況のようです。

その間、2階で生活するという方や、仮設住宅に入るという方もいて、こちらもまちまちです。

各家庭ごとに課題はまちまちであり、こうしたニーズを丁寧に聞いて歩く人が必要だと痛感しました。

本来は倉敷市の仕事だと思いますが、人手が足りないのであれば、何らかの代替手段を考えて、こうしたニーズを把握する活動を行わなければなりません。政府や岡山県に進言したいと思います。